きつ音勉強シリーズ(吃音のあるお子さん向け)

10. きつ音の説明の仕方

動画

 

動画の内容

 

 

スタッタくん: 吃音のあるお友達に質問だけど、こんなこと、言われたことないかな?
 
ハルトくん: どんなこと?
 
スタッタくん: うん。「どうして、『こ、こ、こ』って言うの」とか、きつ音の話し方について質問をされたり、「話し方、変だよ」って言われたりすることだよ。
 

 

メイちゃん: スタッタくん、そんな時は、どうしたらいいの?
 
スタッタくん: うん。もし、お友達が、きつ音のことをからかって、言っているんだったら、前に勉強したように、先生に相談したり、「からかわないで」って言ったり、無視したりしたらいいかな。でも、お友達の中には、からかうんじゃなくて、きつ音のことをよく知らなくて、ただ質問しているだけだったり、きつ音のことを心配して言ってくれていたりするお友達もいるんじゃないかな。そういうお友達は、きつ音のことが分かれば、味方になってくれて、困った時に助けてくれるかもね。
 
ハルトくん: そうかぁ。
 

 

メイちゃん: 吃音の説明ってどうやったらいいの?
 
スタッタくん: いろいろな方法があるよ。例えば、誰が説明をするかには、先生にお願いして説明してもらう、自分で説明するなどがあるし、誰に説明をするかには、からかった人や質問した人だけにする、クラス全員にするなどがあるかな。
 

 

ハルトくん: どんな風に説明したらいいかな?
 
スタッタくん: 特に決まりはないよ。どのように説明するかは、自分で決めていいんだ。
 

 

スタッタくん: 例えば、説明する時に、「吃音」という言葉を言うのもありだし、「吃音」という言葉は言わないで、「話すのが苦手」とか、別の言い方でいうのもありだよ。また、みんなに、吃音のことへのお願いを言う時も、みんなに「してほしいこと」だけじゃなくて、「しないで欲しいこと」も言うといいかな。
 
メイちゃん: 例えば?
 
スタッタくん: 「して欲しいこと」だと、「吃音の時は、言葉が出るまで待って欲しい」、「吃音が出ても、気にしないで欲しい」とかかな。「して欲しくないこと」だと、「からかわないで欲しい」、「『ゆっくり』、『頑張って』とか言われると余計緊張して話しにくくなるので、言わないで欲しい」とかかな。でも、「して欲しいこと」、「しないて欲しいこと」は、吃音のあるお友達、一人ひとり、違うと思うから、これは、あくまでも例だけどね。
 
ハルトくん: 先生に話してもらう時には、話してもらう前に、話してほしいことを伝えておく必要があるね。
 
スタッタくん: そうだね。先生に話してもらう時は、「吃音」と言う言葉を言うか、言わないか、して欲しいこと、しないて欲しいことをしっかりと伝えておくことが大切だね。
 

 

スタッタくん: 自分でお友達に吃音の説明をする時の例を紹介するね。こんな感じだよ。
 
「ぼく、きつ音っていうのがあって、言葉がすぐに出ない時があるんだ。でも、少ししたら出るから、もし、きつ音になっている時は、言葉が出るまで待って欲しいんだ。」
 

 

スタッタくん: 次は、先生にクラス全員にきつ音の説明をしてもらう例だよ。こんな感じだよ。
 
「〇〇さんは、お話をしようとすると言葉がつっかえて出にくい時があります。頑張って話そうとするけど、どうしても話せないのです。でも、うまく話せないだけで、後は、他の人と一緒です。だから、〇〇さんが話している時は、「早く言って」などと言うのはやめましょう。からかうことも絶対してはいけません。」
 
ハルトくん: こんなふうにすればいいんだね。
 
スタッタくん: うん。もし、どのように説明するば良いか分からない時は、お家の人や、先生に相談しよう。ことばの教室に通っているお友達は、ことばの教室の先生に相談するのもおすすめだよ。

関連資料・教材

 

きつ音サポートノート [子ども版]

 

きつ音理解シリーズ(子ども向け吃音啓発資料)

 

『学齢期吃音の指導・支援改訂第2版ーICFに基づいたアセスメントプログラム』で紹介している教材

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