きつ音理解シリーズ(子ども向け吃音啓発資料)

1. きつ音ってなあに

動画

 

動画の内容

 

 

スタッタくん: メイちゃん、ハルトくん、二人には、こんなお友達、いるかな?
 
メイちゃん: どんなお友達?
 
スタッタくん: 「わ、わ、わたし」って、はじめの音を繰り返したり、
おしゃべりする時に、言葉がつまって、苦しそうに話したり、
話そうとしているのに、言葉が出なかったりするお友達だよ。
 

 

ハルトくん: うーん、そういえば、同じクラスにいるかも。
 
メイちゃん: 私にも、そんな話し方をするお友達がいるわ。
 
スタッタくん: そうなんだね。もしかすると、そのような話し方をするお友達の中には、「きつ音」があるお友達がいるかもしれないね。

 
 

ハルトくん: スタッタくん。「き、つ、音」ってなんなの?
 
スタッタくん:ことばが言いにくくて困ることだよ。
 
メイちゃん: 言葉が言いにくくて、困る? どういうこと?
 
スタッタくん: うん。順番に説明するね。
 

 

スタッタくん: まず、「ことばが言いにくい」だけど、これには、
「こ、こ、これ」みたいに音を繰り返す
「こーーれ」みたいに音が伸びる
「......これ」みたいに音が詰まって出にくい
の3つがあるよ。
 
ハルトくん: そうなんだ。
 
メイちゃん: 音が詰まるのは、顔とか体に力が入って、話しにくそう。

 
 

ハルトくん: 困ることには、どういうものがあるの?
 
スタッタくん: 吃音のあるお友達の中には、日直当番や健康調べのセリフが、うまく言えなくて困るお友達がいるよ。
また、授業で発表したり、教科書を読んだりできるか心配になったりするお友達もいるかな。
 
メイちゃん: どうして、心配になるの?
 
スタッタくん: 吃音のあるお友達の中には、大勢の人の前で話したり、音読したりするのが苦手で、たくさん吃音が出ちゃうお友達がいるんだ。そのようなお友達は、「吃音が出たら嫌だな」とか、「また、吃音が出たらどうしよう」とか、心配になるんだ。
 

 

ハルトくん: 他には、どういうことで困るの?
 
スタッタくん: 吃音のあるお友達の中には、本当は話したいのに、話すことをやめてしまうお友達もいるよ。
 
メイちゃん: どうして?
 
スタッタくん: 吃音になりそうな予感がして心配になるからだよ。たとえば、お友達とおしゃべりしている時に、言いたいことがあっても、吃音になりそうな予感がすると、心配で言えなくなるんだ。
 
スタッタくん: あと、友達に、吃音の話し方を笑われたり、からかわれたりするっていうお友達もいるよ。
 
ハルトくん: 吃音の話し方を笑ってもいいの?
 
メイちゃん: からかうなんて、ひどい!
 
スタッタくん: うん。二人の言う通りだよね。でも、吃音のあるお友達の中には、吃音の話し方を笑われたり、からかわれたりして、嫌な思いや、悲しい気持ちになっているお友達もいるんだ。
 

 

スタッタくん: そしたら、いくつか、吃音についてのクイズをするよ!
 
ハルトくん: 僕、クイズ、好き!
 
メイちゃん: 私も、頑張るわ。
 
スタッタくん: それじゃあ、第一問。ジャジャン。吃音のある人は、どれぐらいいる?
 
ハルトくん: えっ、どれぐらいだろう。
 
メイちゃん: あまり、いなさそうだから、1,000人に1人ぐらい。
 
スタッタくん: メイちゃん、残念。正解は、100人に1人くらいだよ。
 
ハルトくん: 意外と多いんだね。
 
メイちゃん: もしかすると、私の近くにも、吃音のあるお友達がいるかもしれないな。
 

 

スタッタくん: 続いて、第2問。ジャジャン。どうして、吃音になるの?
 
ハルトくん: えっ、全然わからない。
 
メイちゃん: 私も...
 
スタッタくん: 正解は...、まだよく分かっていません!
 
ハルトくん: えっ、ずるーい。
 
スタッタくん: は、は、は。ごめん。今、世界中で、吃音になる原因を調べる研究がされているんだけど、まだ、原因は良く分かっていないんだ。でも、これまでの研究の中で、吃音の原因は、少しずつ、明らかになってきているんだ。もしかすると、もう少しすると、吃音の原因が分かるようになるかもしれないね。
 
メイちゃん: 早く、分かるといいな。
 

 

スタッタくん: 最後に、吃音のあるお友達の気持ちを紹介するよ。
 
ハルトくん: うん。
 
スタッタくん: 吃音のあるお友達の中には、こんな気持ちのお友達がいるよ。
頑張って話そうとしても、口や喉がどうしても動かないから、イライラしたり、焦ったりする
話す時に、きつ音にならないか不安になる
吃音の話し方を真似されたり、笑われたりすると、悲しい、くやしい
 
メイちゃん: 吃音のあるお友達は、吃音のせいで、嫌な気持ちになったり、困ったりしているんだね。
 
ハルトくん: なんか、みんなで、できることはないかな。
 
スタッタくん: うん。メイちゃんやハルトくんみたいな人が多くなると、吃音のあるお友達も、嬉しいんじゃないかな。みんなができることについては、「吃音理解シリーズ(2)」の動画を見てね。

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