4. きつ音が出やすい時、出にくい時
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スタッタくん: はじめに、吃音が出やすい場面から、お話するよ。
ハルトくん: うん。
スタッタくん: 吃音が出やすい時は、吃音のあるお友達一人ひとり違うんだ。
メイちゃん: そうなんだ。
スタッタくん: うん。吃音のあるお友達の中には、「あ行」で吃音が出やすい人がいたり、「か行」で吃音が出やすい人がいたりなど、一人ひとり吃音が出やすいい音が違うんだ。また、数字の「3」で吃音が出やすい人、あいさつの「おはよう」で吃音が出やすい人など、吃音が出やすい言葉も一人ひとり違うよ。
ハルトくん: みんな一緒じゃないんだね。
スタッタくん: そうなんだ。また、先生と話す時に吃音が出やすい人、友達と話す時に吃音が出やすい人、授業で当てられた時に吃音が出やすい人、友達とおしゃべりしている時に吃音が出やすい人など、吃音が出やすい、人や場面も、一人ひとり、違うんだ。
メイちゃん: 一人ひとり違うのって、なんか不思議。
スタッタくん: うん。ただ、吃音のあるお友達の中には、次のような時に、吃音が出やすい、ってお友達が多いかな。
ハルトくん: どんな時?
スタッタくん: 早口で話す時や、長く、複雑なことを話す時、決まった言葉をタイミングよく話す時だよ。
メイちゃん: 決まった言葉をタイミングよく話す時って?
スタッタくん: 例えば、健康調べで「はい、元気です。〇〇さん」と前の人に続けてテンポ良く話す時や、授業の開始の号令を、「きりつ」、「今から、1時間目の勉強を始めます」、「着席」とスラスラと話したりする時とかだよ。
スタッタくん: あと、注意しなくてはいけないのは、「吃音が出やすい」時が、いつも、「言いにくい」時ではないってことだよ。
ハルトくん: えっ、それって、どう言うこと?
メイちゃん: 「吃音が出やすい時」は、いつも、言いにくくて、困っているんじゃないの?
スタッタくん: うん。もちろん、吃音のあるお友達は、「吃音が出やすい」と、言いにくくて、困る時が多いんだけど、吃音って、例えば、お家の人や親しい友達とおしゃべりするなどリラックスしている時に、多くなることもあるんだ。
ハルトくん: リラックスしている方が、吃音が出やすいの?
スタッタくん: そうなんだ。ちょうど、この絵みたいに、少し緊張しているくらいが一番吃音が出にくくて、緊張が少ない、あるいは緊張が多いと吃音が出やすくなるんだ。
メイちゃん: そうすると、お家の人や親しい友達はおしゃべりする時も、吃音が出ないように気をつけなくちゃいけないの?
スタッタくん: ううん。お家の人と親しい友達とおしゃべりする時は、緊張しないで、楽に話せるから、吃音が出ても、あまり困らないんじゃないかな。また、お家の人や親しい友達も、吃音を気にしないでおしゃべりを楽しんでいるんじゃないかな。そういう、リラックスしている時の吃音はOKだよ!
メイちゃん: うん。分かった。
スタッタくん: 次に、吃音が出にくい時だけど、吃音が出やすい時が一人ひとり違うように、吃音が出にくい時も、一人ひとり違うんだ。
ハルトくん: そうなんだ。
スタッタくん: うん。例えば、音読をする時は吃音が出にくい人、原稿を見ないで発表する時は吃音が出にくい人、先生や目上の人と話す時に吃音が出にくい人、友達と話す時に吃音が出にくい人など、吃音が出にくい時も、一人ひとり違うんだ。
スタッタくん:うん。ただ、吃音のあるお友達の中には、次のような時に、吃音が出にくいってお友達が多いかな。
メイちゃん: どんな時なの?
スタッタくん: ひとりごとを言ったり、歌を歌ったり、他の人と一緒に言ったりする時だよ。
ハルトくん: 他の人と一緒に言うと、吃音が出にくいの?
スタッタくん: そうなんだ。だから、教科書の音読や、授業の号令のセリフが苦手な吃音のあるお友達も、隣の人と一緒に声を合わせて音読する、日直当番が2人いて、一緒に号令をかけると、吃音になることはグンと少なくなるんだ。
関連資料・教材
きつ音サポートノート [子ども版]
『学齢期吃音の指導・支援改訂第2版ーICFに基づいたアセスメントプログラム』で紹介している教材