きつ音勉強シリーズ(吃音のあるお子さん向け)

3. 声を出して話すときの体のしくみ

動画

 

動画の内容

 
 
スタッタくん: この絵を見て
 
メイちゃん: これは、人だよね
 
スタッタくん: うん。ここに、声を出す時に使うものが描かれているんだ。
 
ハルトくん: 何を使うのかな?
 
スタッタくん: 声を出す時に、使うのは、3つあるよ。一つ目は、むねとおなか。二つ目は、のど。三つ目は、口とはなだよ。
 
 

スタッタくん: まず、むねとおなかから見ていこう。
 
ハルトくん: うん
 
スタッタくん: むねには、息を吸ったりはいたりする「肺」っていうところがあって、声のもとになる息の流れを作っているんだ。
 
メイちゃん: ふうん
 

 

スタッタくん: 息の流れを作る方法は、2つあるよ。一つ目は、胸の筋肉を使う方法。二つ目は、お腹の筋肉を使う方法だよ。
 
ハルトくん: うーん。難しいな。
 
スタッタくん: そうだね。でも、実際に、この絵みたいに、手をむねやおなから当ててみると、息の流れが分かるよ。まず、むねに手を当てて、息を吸ったり、はいたりしてみて。
 
メイちゃん: ほんとだ。吸うと、むねが膨らんで大きくなって、はくとしぼんで小さくなる。
 
ハルトくん: でも、動くのは少しだけだ。
 
メイちゃん: なんか、一緒にのどが動いている感じもする。
 
スタッタくん: そうだね。むねの筋肉は、そんなに大きくないから、たくさんの息を吸ったりはいたりしにくいんだ。また、むねとのどは、近いから、むねの筋肉を動かすと、連動してのども動いてしまいやすいんだ。
 
ハルトくん: 本当だ。
 
スタッタくん: 今度は、おなかに手を当てて、息を吸ったり、はいたりしよう。
 
メイちゃん: おなかの方が、大きく膨らんだり、しぼんだりする!
 
ハルトくん: のどは、あまり動かないな
 
スタッタくん: そうだね。おなかの筋肉は、とても大きいから、たくさんの息を吸ったりはいたりしやすいんだ。また、おなかはのどから離れているから、おなかの筋肉を動かしても、のどはあまり動かないよ。
 
メイちゃん: すごーい。おもしろい!
 

 

スタッタくん: 今度は、のどを見よう。
 
ハルトくん: うん
 
スタッタくん: のどには、息の流れを振動させてる「声帯」っていうところがあって、声を作っているんだ。
 
メイちゃん: スタッタくん、よく、分からないわ。
 
スタッタくん: うん。今度も、実際に、手をのどに当てて、息の振動を確認してみよう。この絵みたいに、手をのどのところにあてて、「あーー」(小さな声で)、「あーー」(大きな声)みたいに、色々と声を出してみよう。
 
メイちゃん: 何か、ブルブル震えている!
 
ハルトくん: 大きな声を出すと、ブルブルが大きくなる!
 
スタッタくん: こんなふうに、声は、声帯をブルブル振るわせて作るんだ。
 

 

スタッタくん: もう少し、手をのどに当てて、色々な声を出してみよう。
 
ハルトくん: うん
 
スタッタくん: 最初は、やわらかい声を出してみよう。「はぁっーーあーー」(ため息から、徐々に声を出す)って、ため息から段々声を出すようにするといいよ。
 
メイちゃん: のどを動かしている感じがなく、楽に声が出るわ
 
スタッタくん: 今度は、硬い声を出してみよう。「あ゛ーー」(喉にギュッと力を入れてガラガラした声)ってのどにぎゅっーと力を入れてみよう。あまり、喉に力を入れすぎると、のどが痛くなるから、気をつけて。
 
ハルトくん: つまって声が出にくい!
 
メイちゃん: かすれ声しか出ないし、のどが痛いわ
 
スタッタくん: やわらかい声とかたい声、どっちが楽かな
 
ハルトくん: 柔らかい声!
 
メイちゃん: わたしも。
 

 

スタッタくん: 最後に、口とはなをみよう。
 
メイちゃん: うん。
 
スタッタくん: 口とはなには、くちびるとか、舌とかがあって、これらを動かしていろいろなことばの音を作るんだ。
 
ハルトくん: スタッタくん、難しくてわかんないよ。
 

 

スタッタくん: そうだよね。今度も、実際にくちびるとか舌とか動かしながら、確認しよう。
 
ハルトくん: うん。
 
スタッタくん: まず、くちびるを使う音には、「パ行」とか「マ行」があるよ。「ぱ、ぴ、ぷ、ペ、ぽ」、「ま、み、む、め、も」って言ってみて。
 
メイちゃん: ほんとだ。「ぱ」、「ま」って言う時に、くちびるが閉じたり、開いたりしてる!
 
スタッタくん: 今度は、舌だよ。まず、舌の前を使う音には、「タ行」とか「サ行」があるよ。「た、ち、つ、て、と」、「さ、し、す、せ、そ」って言ってみて。
 
ハルトくん: 「た」って言う時は、舌(した)が上の歯茎(はぐき)から「ぱっ」て離れている!
 
メイちゃん: 「さ」って言う時は、舌が、上の歯茎に軽くくっついて「スーッ」って擦るみたいな感じだわ。
 
スタッタくん: 次に、舌の後ろを使う音には、「カ行」があるよ。「か、き、く、け、こ」って言ってみて。
 
ハルトくん: 舌の後ろを口の奥に押し当てている感じがする!
 

 

メイちゃん: スタッタくん、声を出して話すときの体のしくみ、分かったわ。
 
ハルトくん: 僕も!
 
スタッタくん: 二人とも、すごいね。それじゃあ、最後に、もう一つ、お話をして終わりにするよ。
 
メイちゃん: え、まだ、あるの?
 
スタッタくん: うん。それは、吃音でつまって声が出にくい時に、むねとおなか、のど、口とはながどうなっているかについてだよ。
 
ハルトくん: どうなっているの?
 
スタッタくん: 力が入って、声が出にくくなっているんだ。のどについては、ぎゅーっと力を入れた硬い声だと、つまって声が出にくかったよね。
 
メイちゃん: うん
 
スタッタくん: のどみたいに、むねとお腹、口と鼻に力が入っても、つまって声が出にくくなるんだ。例えば、胸にぎゅーって力を入れると、息を吸ったりはいたりできるかな?
 
ハルトくん: 胸が苦しくて、息ができない!
 
スタッタくん: 次は、口や鼻だよ。例えば、唇にぎゅーって力を入れて「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」って言える?
 
メイちゃん: 力が入って、唇が「ぱっ」て開かない!
 
スタッタくん: 今度は、舌にぎゅーって力を入れて「た、ち、つ、て、と」って言ってみて。
 
ハルトくん: 舌が上の歯に張り付いて、動かないから「た」って言えない!
 
スタッタくん: そうなんだ。むねとおなかも、のども、口とはなも、力が入ると、つまって、声が出にくくなるんだ。

関連資料・教材

 

きつ音サポートノート [子ども版]

 

『学齢期吃音の指導・支援改訂第2版ーICFに基づいたアセスメントプログラム』で紹介している教材

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