きつ音勉強シリーズ(吃音のあるお子さん向け)

11. きつ音が出にくい話し方1

動画

 

動画の内容

 

 
スタッタくん: 「きつ音になりにくい話し方」の勉強の前に、これまで勉強していたことをいくつか復習してもいいかな。
 
メイちゃん: うん。なあに。
 
スタッタくん: まず、一つ目だよ。吃音の話し方は、悪いこと、ダメなことではなかったよね。
 
ハルトくん: うん。
 
スタッタくん: だから、吃音の話し方は、ゼロにしなくても良くて、「こ、これ」とか「こーーれ」みたいに、「らく」な吃音は出てもOKだと思うんだ。
メイちゃん: そうなんだ。
 
スタッタくん: うん。そして、「こっ...、こっ...、こっっれ」とか「........っこれ」みたいな「苦しい」吃音だけど、「吃音は悪いこと、ダメなことではない」んだから、出てもいいんだけど、力が入って言葉が出ないのは苦しいから、出るのが少なくなると、話すのが楽になるんじゃないかなって思うんだ。
 
 

スタッタくん: 二つ目は、きつ音が出にくい話し方は、いろいろあって、どの方法が合うかは、吃音のあるお友達、一人一人違うんだ。
 
ハルトくん: 吃音のあるお友達、一人ひとり、合う方法が違うんだ。
 
スタッタくん: うん。だから、色々な、きつ音がでらくい話し方を試して、自分に合った話し方を見つけよう。また、きつ音が出にくい話し方は、この動画で紹介する以外にも、色々あるんだ。
 

 

スタッタくん: それじゃあ、吃音が出にくい話し方をいくつか紹介するよ。一つ目は、「『ゆっくり』話す」だよ。
 
メイちゃん: 「ゆっくり」ってどれぐらい?
 
スタッタくん: ゆっくりであればある程、話しやすくなるかもしれないけど、あまりゆっくり過ぎると、普段のお話で使いづらいから、いつもより「少し」ゆっくりぐらいがいいかな。また、途中でどんどん速くなったり、速くなったり遅くなったりすると、話しにくくなるから、できるだけ同じ速さをキープできるといいかな。
 
ハルトくん: どんな感じかな?
 
スタッタくん: 例えば、このビデオみたいな感じかな。

 
 

スタッタくん: 二つ目は、「『ゆったり』話す」だよ。
 
メイちゃん: 「ゆったり」? 「ゆっくり」とどう違うの?
 
スタッタくん: 「ゆっくり」は話す速さをゆっくりにするけど、「ゆったり」は、「。(まる)」や「、(てん)」で、少し休みながら話したり、他の人とおしゃべりしている時に、相手が話し終えたのを確認して、少し間を空けてから話し始めるんだ。
 
ハルトくん: どんな感じかな?
 
スタッタくん: 例えば、このビデオみたいな感じかな。
 

 

スタッタくん: 三つ目は、「話す場面で話し方を変える」だよ。
 
メイちゃん: どういう風に変えるの?
 
スタッタくん: うん。二人は、「声のものさし」って聞いたことある?
 
ハルトくん: うん。話す人や場所に合わせた声の大きさを示したものだよね。
 
スタッタくん: その通り。声のものさしでは、隣の席の人と話すとか班の話し合いでは小さな声、クラスや体育館での発表では大きな声っていうように、話す人や場所によって出す声の大きさを変えるよね。
 
メイちゃん: うん
 
スタッタくん: この声のものさしで、クラスや体育館の発表みたいに大きな声を出す時には、小さな声を出す時よりもゆっくり、ゆったり話すんだ。
 
ハルトくん: どうして?
 
スタッタくん: 理由は2つあるよ。一つは、大きな声を出す方が、むねやおなか、のど、口や喉に力が入って吃音が出やすくなるよね。
 
メイちゃん: うん。
 
スタッタくん: だから、それでも、吃音を出にくくするために、吃音が出にくい話し方の「ゆっくり」、「ゆったり」を使うんだ。
 
ハルトくん: なるほど。
 
スタッタくん: 二つは、発表の時は、ゆっくり、ゆったり話した方が、はっきり分かりやすくて、みんなに伝わりやすいからだよ。また、ゆっくり、ゆったり話した方が、堂々としてかっこいいしね。
 
メイちゃん: 確かに、早口より、ゆっくりな方が聞き取りやすいかも。
 

 

スタッタくん: 四つ目は、「そっと」話すだよ。
 
ハルトくん: 「そっと」?
 
スタッタくん: うん。声を出して話すときの体の仕組みの勉強の時に、のどの声帯ってところを振動させて、声を作っているって勉強したよね。
 
メイちゃん: うん。
 
スタッタくん: その時に、そっと声を出す柔らかい声と、ギューと力が入った硬い声の勉強をしたのを覚えている?
 
ハルトくん: うん。思い出した!
 
スタッタくん: 「そっと」話す、では、その時に勉強した、「そっと声を出す柔らかい声」を使うんだ。
 
メイちゃん: どんな感じかな?
 
スタッタくん: 例えば、このビデオみたいな感じかな。
 

 

スタッタくん: 五つ目は、「やわらかく」話すだよ。
 
ハルトくん: 「やわらかく」?
 
スタッタくん: うん。これも、声を出して話すときの体の仕組みの勉強でしたけど、口とはなには、くちびるとか舌とかがあって、これらを動かしていろいろなことばの音を作るんだよね。
 
メイちゃん: うん。
 
スタッタくん: そして、くちびるや舌に力が入ると、どうなるかな?
 
ハルトくん: くちびるや舌が固まって音がでない!
 
スタッタくん: その通り! だから、そうならないように、くちびるや舌にギューと力を入れないで、優しく、ていねいに動かすんだ。
 
メイちゃん: どんな感じかな?
 
スタッタくん: 例えば、このビデオみたいな感じかな。
 

 

スタッタくん: 六つ目は、「口の形に気をつけてるとはっきりと話せる」だよ。
 
ハルトくん: 口の形?
 
スタッタくん: うん。口を大きく開ける「あ」、口を横に引く「い」、口を丸くする「う」、口を四角くする「え」、口を縦に開ける「お」の5つの口の形に気をつけて話すと、一つひとつの音が、楽に、はっきり言えるようになるんだ。そうすると、お話をする時に、余計な力が入りにくくなり、吃音になりにくくなるんだ。

関連資料・教材

 

きつ音サポートノート [子ども版]

 

『学齢期吃音の指導・支援改訂第2版ーICFに基づいたアセスメントプログラム』で紹介している教材

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