きつ音勉強シリーズ(吃音のあるお子さん向け)

6. きつ音のあるお友達のきつ音への思い

動画

 

動画の内容

 

 

スタッタくん: まず、最初にお話したいのは、吃音への思いも、きつ音のあるお友達一人一人で違うってことだよ。
 
メイちゃん: それは、吃音が出やすい時や、吃音が出る時の体と心が違うから?
 
スタッタくん: うん。その通り。吃音の状態は、吃音のあるお友達、一人ひとり違うから、吃音への思いも、違うんだ。
 
ハルトくん: 一人ひとり違うって、ちゃんと分かっておかないといけないね。
 

 

スタッタくん: それじゃあ、今から、吃音のあるお友達が感じることの多い、吃音への思いを紹介するよ。
 
ハルトくん: お願いします。
 
スタッフくん: 任せておいて。一つ目は、「緊張したり、慌てたりしているわけではない!」だよ。
 
メイちゃん: えっ、そうなんだ。私、吃音のあるお友達は、緊張したり、慌てたりしているから、吃音になるんだって思っていた。
 
スタッタくん: うん。確かに、吃音のあるお友達の中には、緊張したり、慌てたりすると、吃音になりやすいっていうお友達もいっぱいいるよ。でも、緊張したり、慌てたりしてないけど、吃音になっちゃうって言うお友達も多いんだ。そのようなお友達は、例えば、「先生は、僕が吃音になった時に、『ゆっくり』、『落ち着いて』と言うけど、別に緊張したり、慌てたりしているから吃音になっているわけじゃないんだよな」って思っていることも多いんだ。
 
ハルトくん: 確かに、緊張していないのに、「落ち着いて」とか言われると、ちょっと嫌な気持ちになるかも。
 
メイちゃん: 慌ててないのに、「落ち着いて」って言われるのも、私だったら嫌だな。
 

 

スタッタくん: 二つ目は、「どうしても、吃音で言えない音や言葉がある」だよ。
 
メイちゃん: それって、どう言うこと?
 
スタッタくん: うん。1つ目とちょっと似てるけど、吃音のあるお友達の中には、予期不安で「言えない」と思った言葉は、どんなに気持ちを落ち着かせたり、どんなに話し方の工夫をしても、出ないって言うお友達が多いんだ。それを、例えば、先生から「ゆっくり、落ち着いて言えば大丈夫」、「ことばの教室で練習した話し方の工夫を使おう」とか言われても、言えないものは言えないんだと思ってしまうんだ。
 
ハルトくん: 頑張っても、言えない時もあるのか。
 

 

スタッタくん: 三つ目は、「状況によって言いにくさが変わる」だよ。
 
ハルトくん: これは、どう言うこと?
 
スタッタくん: うん。吃音のあるお友達は、一人ひとり、言いにくい場面と、言いやすい場面が違ってたよね。
 
めいちゃん: ええ
 
スタッタくん: だから、家族や仲の良い友達とはスラスラ言える言葉でも、学校の授業だと全然言えなくなることがあるんだ。だから、例えば、先生に、「さっき、友達と話している時は言えてたんだから、発表でも言えるよね」と言われると困ってしまうんだ。
 
ハルトくん: 同じ言葉でも、状況によって、言えたり、言えなかったりするんだね。
 
メイちゃん: 同じ言葉が、言えたり、言えなかったりするのは、大変だろうな。
 

 

スタッタくん: 四つ目は、「吃音のしんどさが周りに伝わらない」だよ。
 
メイちゃん: これは、どうして?
 
スタッタくん: 吃音のあるお友達は、言いにくい言葉や予期不安がある言葉を他の言葉に言い換えたり、話すのをやめたりしているって勉強したよね。
 
ハルトくん: うん
 
スタッタくん: 吃音のあるお友達の中には、「吃音になりそうな時は、言い換えたり、話すのをやめたりするのが上手で、話している時に、ほとんど吃音にならない」って言うお友達もいるんだ。
 
メイちゃん: 言い換えたり、話すのをやめたりして、ほとんど吃音にならないって、すごい!
 
スタッタくん: うん。確かにそうなんだけど、吃音にならないから、先生や友達は、吃音で困っていることに気づかず、誰も吃音のしんどさを分かってくれないってことになりやすいんだ。
 
ハルトくん: 吃音が出ないから、周りの人は、吃音で困っていることに気づかないんだ。
 
スタッタくん: そうなんだ。

関連資料・教材

 

きつ音サポートノート [子ども版]

 

『学齢期吃音の指導・支援改訂第2版ーICFに基づいたアセスメントプログラム』で紹介している教材

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