きつ音勉強シリーズ(吃音のあるお子さん向け)

5. きつ音が出る時のからだとこころ

動画

 

動画の内容

 
 
スタッタくん: 吃音が出る時のからだとこころは、きつ音のあるお友達一人一人で違うんだ。
 
ハルトくん: そうなんだ。
 
スタッタくん: うん。例えば、らくな吃音で話すお友達がいたり、苦しい吃音で話すお友達がいたりするし、吃音が出ても気にしないで、どんどんおしゃべりするお友達がいたり、吃音が出ないか気になって話せないお友達がいたりするんだ。
 
メイちゃん: 吃音が出やすい時と出にくい時が、一人ひとり違ったように、吃音が出る時の体と心も、吃音のあるお友達一人ひとり違うのね。
 
 

スタッタくん: うん。そうなんだ。吃音が出る時のからだについては、「こ、こ、こ、これ」、「こーーーれ」(力を入れないでリズミカルに、繰り返したり、引き伸ばしたりする)みたいに、話している時に、むねとおなか、のど、口とはなに力が入らない「らくな」きつ音と、「こっっ、こっっ、これ」、「........っっこれ」(力を入れて、苦しそうに)みたいに、話している時に、むねとおなか、のど、口とはなに力が入る「苦しい」吃音があるよ。
 
メイちゃん: 苦しい吃音は、話すのが、つらそうだね。
 
スタッタくん: うん。苦しい吃音の時は、体全体に力が入り、顔がピクピクしたり、手足が動いてしまったりすることもあるよ。
 
ハルトくん: そうなると、ますますしんどいね。
 
スタッタくん: そうだね。吃音勉強シリーズ4「吃音が出やすい時、出にくい時」でも話したけど、リラックスしている時に出る力が入らない「楽な」吃音はOKなんだけど、「苦しい」吃音は、話しずらくて、しんどいよね。
 
メイちゃん: うん。
 

 

スタッタくん: あと、吃音のある人を苦しめるこころの問題には、次のようなものがあるよ。
 
ハルトくん: どんなものかな?
 
スタッタくん: 一つ目は、「あせりやイライラ」だよ。吃音で思うように言葉が出てこない時に、あせったり、イライラしたりするんだ。
 
メイちゃん: 言いたいことが、スッと出てこないと、あせるだろうし、イライラもするだろうな。
 

 

スタッタくん: 二つ目は、「予期不安」だよ。
 
ハルトくん: 「よき...不安」?
 
スタッタくん: うん。これは、話す前に、吃音になる予感がして不安になることだよ。例えば、健康調べの「はい、元気です」の「は」が出てこない予感がして、不安になるんだ。
 
メイちゃん: 言わなくちゃいけない言葉が、吃音で出てこない予感がするのは、とても不安だろうな。
 

 

スタッタくん: 三つ目は、言い換えや、話すのをやめるだよ。これは、言いにくい言葉や、予期不安を感じた言葉などが吃音にならないように、他の言葉に言い換えたり、話すのをやめてしまったりすることだよ。
 
ハルトくん: 言いにくい言葉を他の言葉に言い換えるんだ。
 
スタッタくん: うん。例えば、本当は、「ありがとう」って言いたいんだど、「サンキュー」って言ったり、ハンバーガー屋さんで、本当は「チーズバーガー」を注文したいのに、「チ」が言いにくいから「ハンバーガー」を注文したりするんだ。
 
メイちゃん: 友達には、サンキューでいいけど、先生にはサンキューは言えないなぁ。
 
ハルトくん: 本当はチーズバーガーを食べたいのに、ハンバーガーになっちゃうのは嫌だろうな
 
スタッタくん: うん。言い換えをすると、吃音にならないで済むけど、本当に言いたいことが言えないのはつらいよね。
 

 

スタッタくん: 四つめは、自信をなくしたり、自分が嫌いになったりすることだよ。
 
メイちゃん: うまく話せないのは、吃音のせいなんだから、そんなふうに思わなくてもいいのに...
 
スタッタくん: うん。そうだよね。でも、吃音のあるお友達の中には、吃音でうまく話せなかったり、言い換えたり、話すことをやめたりして話すことから逃げている自分を「ダメな人」と思ったりするお友達が少なくないんだ。
 
ハルトくん: 吃音のせいで、自信をなくしたり、自分が嫌いになったりするのは、つらくて、しんどいだろうな。

 

関連資料・教材

 

きつ音サポートノート [子ども版]

 

『学齢期吃音の指導・支援改訂第2版ーICFに基づいたアセスメントプログラム』で紹介している教材

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